面白そうなバイアスを適当に集めて解説してみる
武道武術ではよく相手をコントロールするとかいう技術があったりします。
イメージ的にはなんか難しそうですが、バイアスのことを知っていると人って結構簡単に操られとるな~ということがわかります。
バイアスについては知ってるだけでも予防できたりするので、ヒマつぶしに自分が調べたものを晒しておきます。
こういうのは相手に使えば操れるし、自分が使われたら気を付けられるみたいな感じです。
雑に読んでまとめただだけなので、暇つぶしにどうぞ。
もし詳しく知りたいならちゃんと調べてください。
目次
・奇妙効果
バイアスの死角
自分が他人よりもバイアスが少ないと思ってしまうバイアスを、バイアスのブラインドスポット(死角)というそうです。
アメリカ在中の600人以上の人を対象に調査した結果、85%以上が自分は平均よりもバイアスが少ないと答えたそうです。
おれだけは違うぜというのは良くあるバイアスだし、そう思っていてやらかすとダサいので気をつけたいところですね。
知識の呪い
知識があるばかりに、知識がない人のことがわかんなくなっちゃうっていうバイアスです。
初心者とかに何かを教えるとき、何がわからないのかがわからない、みたいな自体が発生するのはこいつのせいです。
スタンフォード大学の有名な実験で、有名な曲を指で机を叩いてその音だけで相手に何の曲か理解させようとすると、
ほとんどの人が誰でも正解できると答えるのですが、実際やってみると正解者はほとんどいなかったそうです。
参考:PRE-SUASION :影響力と説得のための革命的瞬間
相手もわかるだろうと思ってやってると、思わぬ失敗をするってことで、気をつけたいバイアスのひとつです。
後知恵バイアス
そうだと思ってたんだよ!って後になって言う人いますね。
人は答えを知った後の方が、自分がその答えを予想していたと思い込みやすいそうです。
いわゆる後出しじゃんけんってやつですね。
福島の原発で事故が起こる前と後では、後の方が「おれは原発で予想を超えた事故が起こると思ってたんだよ!」という人が増えたそうです。
そんな感じで物事が起こってからの方が、人はそれが予想できていたと思い込みやすくなってしまうようです。
予想外のことでも「やっぱりね」と思っちゃうことって意外とあるみたいです。
参考:後知恵バイアス(Wikipedia日本語)
参考:後知恵バイアス(Wikipedia英語)
イケア効果
イケアとはスウェーデンの家具屋のあの組み立て式の色んな家具をスタイリッシュに売っているイケアです。
行動経済学などの研究で、人は自分が組み立てた物には価格以上の愛着を持つそうです。
自分でつくったプラモデルとかに愛着がわくのも同じような感じでしょう。
イケアの家具は部品が足りなかったりしていても、顧客の満足度はけっこう高いのだそうです。
例えばホットケーキミックスですが、もともとは水と混ぜてフライパンに乗っけるだけでつくれたのですが、
売れ行きが芳しくなかったため、卵を入れないといけないように変更したというエピソードがあります。
こうすることで、「この料理はちゃんとおれが作ったんだ!」という気分になっちゃうわけですね。
ひと手間ふやすことで、単なる作業をちょっとした好意的なものに変えることができるようです。
基本的に人は自分がつくったものの方が価値が高いと考える傾向があるようです。
自分が関与しているものの方が価値があると思ってしまいがちなのは人の常ですが、そこにとらわれ過ぎないようにするのも大事かも知れないっす。
参考:イケア効果(Wikipedia英語)
参考:イケア効果(シマウマ用語集)
楽器の法則
別名ハンマーの法則とも呼ばれるこのバイアスは、要するに持ってるものに依存しちゃうゾという感じです。
「ハンマーを持ったらすべてが釘に見える」みたいな言葉もあるように、ハンマー=叩くみたいな固定観念のことですかね。
合気道は逆に素手ですけど本来は武器を想定しているので、そこら辺を忘れて素手に依存しちゃうとおかしくなっちゃうってのもこうしたバイアスのひとつかも知れません。
道具に使われるのではなく、道具を選んで使えるようになろうってな感じですかね。
ここで発明されていない
外注を嫌う傾向というか、自分が関わってない物に対して不信感を持つ傾向ってわりとあると思います。
うまいことやれば遥かに楽が出来る場合でも、全部自分でやっちゃうというみたいなやつですね。
自社製造にこだわる日本の会社とかもそのいい例なのかも知れません。
しかし日本では、他国の文化をパクった上に改良するというステキな文化もあるので、考え方ひとつでどうとでも変わることでもあると思います。
ちなみに逆に「ここで発明された」というバイアスも存在します。イケアの法則と同じように、必要以上の愛着を生んでしまうバイアスです。
武道武術でもどこそこのやり方はウチとは違うというのがありますが、どこがどのように違うのかを明確にしとくのはとても大事なことだと思います。
出来る限りフラットに考えるというのが大事っぽいですね。
参考:ここでは発明されていない(Wikipedia英語)
自信過剰効果
これは私のようにチョーシに乗りやすいやつにありがちなバイアスですが、根拠のない自信を必要以上に持ってしまうというやつです。
ある質問に対して99%ほぼ間違いなく確実と人が自信を持って答えた場合であっても、実際には40%の割合で間違っているという研究があったりします。
要するに人の見積もりはだいたい甘いという話でもあります。
ダン・アリエリーが行った実験でも、学生に一定期間に3つ課題を出した場合、
課題の締め切りを決めた場合が最も成績が良く、次いで決めさせた場合で、期限をなにも決めないと提出が遅れたり出来が悪いのだとか。
こんな感じで人間ってのは自分の能力をなかなか客観的に測れないので予想はだいたい甘くなってしまうというワケです。
自信過剰とは人が持つバイアスの中で「最も広範かつ潜在的に壊滅的である」とすら言われています。
戦争だの株式市場だのの重大な問題ですら、過小評価する可能性があるからです。自信は比較する対象のないものでもあります。
自信があるから絶対ということはありません。もちろん根拠のある自信ならいいのですが……
そんなわけで自分に自信がある時はその根拠もちゃんと考えておかなくちゃいけないってな感じです。
よく通る道路効果
これは個人的にあるあるだなと思ったんですが、よく通る道路の方が目的地へのルートに入っていると、知らない道よりも早く到着すると思い込みやすいんだそうです。
車を運転する時なんか、けっこう無意識にいつもの道路を使ってますね。
まあ、それだけなんですが、やっぱ慣れ親しんだものには変な信頼が生まれるってことなんでしょう。
女性はワンダフル効果
これは単に名称が面白いなと思ったから選びました。
男性よりも女性の方が好意的な評価を受けやすい傾向があるよ、という実験に基づいているんですが女性差別とかに厳しい界隈では物議をかもしているそうです。
そういうこともあるかもなぁくらいの認識のバイアスだと思われます。
ゼロサムバイアス
ゼロサムゲームというのは株の投資とか、あるいはオセロみたいに、誰かの利益が誰かの損になる状況のことです。
学問としては空前絶後のつまらなさと一部でヒドイことを言われているゲーム理論から来ています。
この思考にとらわれてしまうと、別に相手を損させなくてもいい状況でもそういう行動をとってしまう、という迷惑なバイアスがゼロサムバイアスです。
相手を競争相手だと捉えてしまうので対立してしまうというわけです。そういえば無意味につっかかってくる人っているなぁというような感じです。
このバイアスにかかっていると「合意に基づいている一夫多妻制」が理解できないとか、そういう症状になるみたいです。
チアリーダー効果
AKBとかその他謎の大勢系グループ、ジャニーズとかEXILEとか、この日本におけるグループ系の発展においてチアリーダー効果はめっちゃ効果を発揮したのかも知れません。
興味のない人はみんな同じ顔に見えるなんてことを言いますが、みんな同じ顔に見えるということは実は個別では欠点があってもわからなくなるということです。
そんな感じでグループの中にいると、ひとりの時よりも魅力がアップするというのがチアリーダー効果です。
ただし、2015年に日本で再現実験が行われた時は効果が確認できなかったとか……。
もしかして、無数のグループ系アイドルに鍛えられたせいなのでは……?
ちなみに魅力的な女性を見てるだけで男は交通事故に遭う確率がアップしたり、大胆な行動を取りやすくなったり、募金したりするのもチアリーダー効果と呼ばれています。
女性はワンダフルですね。
奇妙効果
これは奇妙なものほど記憶に残りやすいという効果です。
科学的な効果があるかどうかは議論を呼んでいますが、
抽象的なものが記憶に残りやすかったり、カフカみたいなわけわからん文章を読むと脳が活性化したりするので、
記憶に残りやすくなったりはするんじゃないでしょうか。
逆にどんなに奇妙であったとしてもそれに慣れてしまうとダメなのかも知れません。
エゴセントリックバイアス
自分のこと、主に自分の信念などと関係する事柄について必要以上に良く見えたり、良くみせようとしてしまうバイアスです。
自分の成功などは大げさに言ってしまうのはこうしたバイアスがあるからということです。
このブログが武道のことに偏るのもこのバイアスがあるからであり、武道の色んなテーマが出せるのもこのバイアスのおかげだということもできます。
そしてこのブログが何らかの誤った情報を発信したら、多分それもこいつのせいです。
Google効果
これはGoogleで簡単に検索して発見した情報は簡単に忘れるというものです。
デジタル記憶喪失とも呼ばれているそうです。
昔の人は関係者全員の電話番号なんかも覚えていたわけですが、最近ではそんなものを覚える必要もなく人類の記憶力は低下していることでしょう。
ある先生が「1時間で覚えたことは1時間で忘れる」というような事をおっしゃっていましたが、やはりそういうモンなんだと思います。
回想バンプ
バンプというのはコブのことで、人は10代から30代くらいの頃の印象的な記憶を、一番鮮明に記憶しているのだそうです。
これを折れ線グラフで見た時、10~30代のところだけコブのように記憶している事柄が多いのでバンプと呼ばれています。
そういう意味で若い頃って大事っすね。
「ワシが若い頃は~」というのは老害の象徴とも言われてますが、もしかすると若い頃のことしか思い出せなくなってる可能性もあります・・・。
スポットライト効果
これは他人に対して、自分だけは気づいて貰えるはずだと思い込む効果となっております。
まあ自意識過剰な人って感じですね。
周囲の目が恥ずかしくてできないとか、相手が自分のことをわかってくれないとか、そういうことはだいたいこの効果にとらわれ過ぎてる場合があります。
でもやっぱり大事なのは、こういう効果があるってことを認識して必要以上に気にしないことだと思います。
誰もそんなに他人のことなんて気にしてないってことを客観的に理解しとこうってことっすね。
フォン・レストルフ効果
ドイツの精神科医ヘドヴィッヒ・フォン・レストルフが見つけた効果で、
何らかのグループの中に一個だけおかしなものがあると記憶に残りやすくなるという効果です。
リンゴ・ミカン・牛肉・ブドウ・バナナ
みたいな感じのリストがあったら、牛肉だけ異様に記憶に残りやすくなるということです。
これは一個だけ色を変えるとか、文字を大きくするとか、他のものと何らかの差別化をしておくとそういう効果が働くようです。
ビジネスとかの手法でもあるので、意図的に相手の記憶に残したりすることもできるかも知れません。
逆に言えばそうやって目立つものには気を付けなきゃいけないっつーことでもありますね。
ツァイガルニク効果
ツァイガルニクとは人の名前なのですが、フルネームはブルーマ・ツァイガルニクだったりします。
とてつもなくどうでもいい話ですが、最初知った時はドラゴンボールのブルマを思い出しました。
これは終わったことより途中のことの方が記憶に残っているという現象です。
ツァイガルニクが行きつけのレストランで、どんなに料理をたくさん注文しても覚えてる名物ウェイターがいたのですが、
料理が来てから「さっきの注文もう一回全部教えて」といっても覚えてなかったという事がキッカケとなっています。
ロバート・チャルディーニ博士によると、この現象を応用して何か継続してやりたい事がある場合は、
キリがいい所で終わらせるのではなく、中途半端にやっておくと気になって続けられるとのことです。
参考:PRE-SUASION :影響力と説得のための革命的瞬間
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