精神的な偏りをなくして効率を上げる為のバイアス解除方法
人がやっている仕事とかみて「もっとこうしたらいいんじゃね?」と思った事ないですか?
やってる本人は真面目でも、色んな思いこみのせいで解決策が出てこないってことは誰にでも起こります。
これを防ぐためには客観的な視点を持つ必要があります。
例えば多くの人はまわりに同じような意見を言う人が3人いるだけで、その意見が一般的な意見だと思いこんでしまうそうです。
こうした偏った状態を統計学や心理学の用語でバイアスといいます。
武道や武術でも傾きや偏りは基本的には避けるべきものです。
こうした考えにつかまってしまうと、効率的な考えができなくなってしまいます。
今回はそんなバイアスから脱却して楽するための方法を考えてみました。
目次
・バイアスがもたらす問題
・何が思い込みなのかを知る方法
・思い込みを突破する方法
・正しい現状維持を身に着ける
バイアスがもたらす問題
ひとくちにバイアスといっても、人の思い込みというのは無数にあります。
ざっくり説明するなら、思い込みによって非現実的なことを信じてる状態がバイアスのかかった状態です。
有名なバイアスの一つに現状維持バイアスというものがあります。
これにかかると理由もなく同じことを繰してしまいます。
同じことを繰り返すっていうのはめっちゃ楽なことです。
だからこそ、人はこのバイアスにかかります。
同じことを繰り返すというのは、楽ではありますが何の進歩もないということでもあります。
2019年に引退した野球のイチロー選手はNHKのドキュメンタリーで、
「バッティングに完成形はなく、常に変え続けることが大事だ」と語っていました。
あのイチローであっても変化し続けなければいけなかったのですから、
同じことだけやっていることがどんだけダメかはわかってもらえると思います。
正しいと思い込んでやっている単調な現状維持はあらゆる上達の妨げになっています。
何が思い込みなのか知る方法
バイアスの一番の対策は、自分にはバイアス(思い込み)があるということを知ることです。
かつてニューヨークで犯罪率を激減させた方法として「壊れ窓理論」というものがありました。
これは壊れた窓を放っておくと、だんだん他の窓も割られて犯罪が増えていくので窓から直そうという作戦でした。
小さな芽から摘んでいけば犯罪率は下がるという理屈です。
長い間この方法でニューヨークは平和になったと考えられていました。
ところが経済学者のスティーヴン・レヴィットはアメリカ全土の犯罪率の統計データを取ることによって不都合な真実を見つけ出しました。
アメリカの犯罪率の低下と最も相関関係があったのは、取り締まりの強化ではなく人工妊娠中絶の合法化でした。
中絶が合法化されたことで出産を望まない人が出産することがなくなり、望まれない子供が生まれなくなったことで虐待が減り、
犯罪に走る少年少女がそもそも生まれて来なくなったことで犯罪率は低下したというわけです。
「壊れ窓理論」はもっともらしい理論ではありましたが、統計的にはそれほど大きな効果がなかったことがわかりました。
このように人はもっともらしい意見を信じやすいのです。
そして信じてしまったときに、思い込みが始まるのです。
こうしたバイアスにかからないためには、客観的なデータを信用することが大切になってきます。
統計や成功率の高さをきちんと調べれば、どれだけ信用できるかが客観的にわかります。
思い込みを突破する方法
同じくスティーヴン・レヴィットの著書「0ベース思考」には現状維持をやめるとどうなるかについて、
フードファイター小林尊を例にあげて説明しています。(1)
彼はアメリカのホットドッグの早食い大会で、
25本だった最高記録を50本という圧倒的な新記録を出して更新しました。
彼はホットドッグをただひたすら口につっこんで食べるというそれまでの常識を捨てたことでこの記録を達成しました。
ホットドッグをパンとソーセージに分離して、
パンは水に浸して圧縮し、ソーセージはまとめて手で砕いたりすることで、噛む作業にかかる手間を大幅に減らしました。
こうすることで25本が限界だったホットドッグの大食い記録を50本という圧倒的な記録をたたき出しました。
わかってみれば簡単なことです。今ではこの方法論を使って他のフードファイターも60本以上の記録を出しています。
ですが、小林がそれをするまでは現状維持バイアスによって、誰もそんなことをやろうとしていなかったのです。
現状がどうなっているかを理解して、もっと楽にやる方法を考える。
これがバイアスから脱出するための基本的な方法です。
現状を変えた方がいいとわかっていたら、すぐに何か変えてみるのがいいということです。
正しい現状維持を身に着ける
変化をつけるというのがひとつのポイントです。
かつては反復練習の代名詞でもあった筋力トレーニングでも最近では細かく負荷を調整した方がよいことがわかっています。(2)
こうしたトレーニングはピリオダイゼーションと呼ばれ、ただ単に同じトレーニングを続けるのではなく、
定期的に細かく負荷や回数を変えていくことで、筋肉の増加量がアップすることがわかっています。
このように人間の成長にとって避けるべきことが慣れなのです。
本当の意味での現状維持というのは、変化し続けることです。
人間は現状が楽だから維持してしまうという話をしましたが、
逆に考えれば、常に変えていくことを現状としてしまえば、あとは勝手にその現状を維持してくれるようになります。
変化し続けることが当たり前ということを現状にしてしまえばいいのです。
変化し続ける状態を維持できれば、もはや現状維持バイアスにはとらわれません。
一旦そのことができるようになれば、後は楽なのです。
その為に変化を意識するトレーニングをして思い込みにとらわれないようにすることが重要です。
続きは・・・
単調な現状維持にはまらない為には、色んな変化を起こすことが重要だということを理解する必要があります。
そんなわけで、現代の科学でわかっている効率的な勉強法について知っていればよりよい考えを持つことができるのではないでしょーか。
可能な限り全力で楽するための学習法を適当に紹介する
参考文献
(2)DIAMONDonlineより:大食いを頭脳戦に変えた小林尊の「知られざるすごい戦略」(0ベース思考からの抜粋記事)
(2-2)0ベース思考(Amazon)