ホリエモンと行動経済学から考える武道武術とお金の話

かなりとっちらかったタイトルになっておりますが、要するに武道武術と金の話でございます。

まあ金をガッポリ稼ぐのは無理じゃね?というのが個人的な見解ですが、可能性を捨てずに色々と考えてみました。

で、結局のところ無理じゃね?と思うのですが、そもそも武道武術は金というよりも無料のパワーを使っていたのだと思います。

てなわけで、武道武術とお金の今と昔について、ホリエモンやら行動経済学やらを交えつつ考えていきたいと思います。

     目次     
これまでの武道武術の稼ぎ方
お金は効率が悪い
これからの武道とお金

これまでの武道武術の稼ぎ方

これまでの武道武術の稼ぎ方といったら、超一般的なのは月謝を取るってやつですね。

あるいはセミナー代を取って運営するってのがありますね。

他にも、大東流合気柔術の武田惣角なんかは、「技ひとつにつき〇〇円」みたいな感じで金を取ったり、教授資格を与えて上納金を巻き上げていたという話があります。

ただ上納金巻き上げに関しては、こういう風に言っといた方が教授資格を持った人が生徒から金を取りやすいからだと言っていた、という話もあります。(1)

まあ現代ではフランチャイズ料金みたいな感じで至ってフツーなことのようにも思えますけどね。

あるいは資格ビジネスみたいな感じで段位や免許を売る、みたいな方法もあります。

が、これも居合道なんかで、金銭授受をめぐって問題が起きたりしてますし、あんまり今の時代に合わない価値観になってきてるようにも感じます。(2)

100万円クラスの大金を武道武術に払うメリットって果たしてあるんでしょーか?

で、いくらぐらい取れるのか?って話しですが安い居酒屋と高級なバーみたいな例え話がありまして、

・安い居酒屋は色んな人がきてトラブルもあるけどルールはテキトー。

・高級なバーは金持った客しかこないけどルールは厳格。

みたいな違いがあるって話があります。

ビジネス的な話で言ったらもちろん高級バーの方がいいんでしょうけど、武道武術で高級なバーみたいな存在ってあるんでしょうか?

そしておそらく最大の問題は「なんかやるメリットあんの?」という問いへの答えです。

「お、おう」以外のいい返しが思いつきません。

nayami

日本ってアホほど平和じゃないですか? 武器だって刀や弓なんて前時代の遺物ですよ?

なんでやるの?って改めて問われるとキツイ!

これを正当化するための強力な手段が「競技化」です。

なぜやるのか?⇒そこに試合があるから!

完璧な返しじゃあないですか? さらに興行にすれば金も儲けられます。しかし競技や興行というのは諸刃の剣でもあります。

剣術では古くは榊原健吉なんかが、衰退しつつあった剣術を復興させるために撃剣興行をやってました。まあこれは厳密には試合じゃなかったかも知れません。

もう少し時代を進めると極真空手によるオープントーナメントなんかもあります。

そしてK1からはじまった格闘技ブームで総合格闘技系の興行がいくつかありますが、こういうのは海外の方がうまい気がします。

また競技のもうひとつの問題はやっぱ若いうちにピークが来ちゃうことでしょうね。

もちろんシニアとか年齢別でやってるものもありますが。ジジイの戦いは人気が出ないような・・・。

逆に日本で一番成功した武道の興行といえば相撲ですが、金が儲かったらいいのかというと、現状を見るとそうとも言えない気がします。

ミクロ経済学を使って色んな物事の裏側を解説した『ヤバい経済学』という本では、数十年に渡る相撲の勝敗記録から、誰がどのくらい不正を行っているかを割り出しています。

こうした不正が行われる理由について著者のスティーヴン・レヴィットは幕内以上かそうでないかによって大きく金額が変わる相撲におけるインセンティブ(報酬)制度が不正を起こしやすいとしています。(3)

大金が絡むとそれはそれで面倒くさいっすね。とはいえそう簡単に相撲みたいに国技ヅラはできません。

じゃあ他にどんな方法があるのかってことで、ちょっとホリエモンの話がおもろかったので、そこから広げてみます。

お金は効率が悪い

ホリエモンと中田敦彦のYouTubeの対談で、カネが間に入ると効率が悪いよねって話が出てました。

・人の持っている信用というのはお金に換算すると結構な額になる。

・でも人の持っている信用をお金に変えようとすると換金率が悪い。

・お金にしないでそのまま何かを買った方が効率がいい。

・そもそもお金にするという発想がないほうがいいかも知れない。

YouTube堀江貴文『これからの労働はお金を媒介しない…!?』中田敦彦と「労働2.0」を語る【NewsPicksコラボ】より抜粋(4)

みたいな感じの話です。

どういうことかというと、ホリエモンがロケットの打ち上げ場所として使用している北海道の土地では

アイデアを出すと、デザイナーがデザインしてくれて、建築会社が建築してくれて、勝手に建物ができるという現象が起こっているそうです。

スケールがでかい話ですが、こんな感じで、お金を間に挟まない方が物事がスピーディに進むってなことを話してました。

まぁこんな話をされても、いやいやホリエモンだからできるんじゃね?と思いたくなる向きもありますが、

案外そーでもないってことは、行動経済学者ダン・アリエリーが著書の『予想通りに不合理』で紹介した実験で明らかになってます。(5)

予想どおりに不合理
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彼がやった実験というのは、通りがかりの人に声をかけてトラックからソファをおろすのを手伝ってもらうというものです。

この時、だいたい3つのパターンで声をかけます。

お願いして手伝ってもらう

プレゼントを渡して手伝ってもらう

お金を渡して手伝ってもらう

その結果、普通にお願いした場合や、プレゼントを渡した場合は喜んで手伝って貰えましたが、お金を払う場合は金額が少ないと断られたそうです。

つまり、タダより少額しか貰えない時の方が人は働いてくれないってことがわかったわけです

どうしてこういうことが起こるのかについて、ダン・アリエリーは金額を提示してしまうと、人は経済的に考えてしまうからだと書いています。

「この金額ならやってもいいかな?」とか「この金額じゃ割にあわねーな」と経済的な理由を考えちゃうわけです。

逆にお願いされた場合は「困ってそうだから助けてあげようかな」とか「いいことをすると気分がいい」といった社会的な理由から、助けてくれる可能性が高いそーです。

カネをかけたくない時は、カネ以外の方向からいくのがいいみたいですね。

nothing

ホリエモンの場合は、ある意味でロケットを宇宙に打ち上げるという夢の実現を掲げながら、町も一緒に発展させていこうとしているので、

社会的な理由と経済的な理由をうまいこと融合させている感じがします。

というワケで意外とタダのパワーはスゴイというお話でした。

でもって、武道武術の場合はどうなのよって話しですが、もともとはあんまり経済的な理由を持ち出さないでやってきたのが武道武術だったと思いまーす。

これからの武道とお金のこと

てなわけで、武道武術というのはどっちかと言うと、無料のパワーを使って今までやってきてます。

だいたいの武道武術の大手の道場だと、指導員はボランティアってことが結構あります。

段位は別として、はじめるのにいきなり金がかかるという感じでもなかったんじゃないでしょうか?

とはいえ、いくら入口が広かろうが安かろうが、人口も減ってることですし、武道武術をやる人が減ってるのも事実です。

そんな中で、金が必要になってくるのは間違いないんですが、これまで社会的な理由を使って普及していたものが、急に経済的な理由を使いだすってことは、

いつも料理をつくってくれる親から急に食事代を請求されるニートみたいな気分を色んな人に味あわせることになるんじゃないでしょうか。

ぶっちゃけ今の武道武術界はめちゃめちゃ狭い世界だと思います。

最近では、色んな武道武術をかけもちしてる人も多いんじゃないでしょうか?

かくいうマツリも3カ所くらいお世話になっているところがあります。ちなみにそのうち二つはほとんど金を払っていない・・・スンマセン、マジで。

ただ、最近ではYouTubeみたいに、見る人の時間を取ることでお金がもらえるシステムができてきてます。

武道武術っていうのは、ある意味で人から時間を奪うことに関してはかなり強いと思います。

こういうトコをもっとうまく活かせたらまた違ってくるのかなとも思います。

kane

ビジネスの基本は相手を利用してお互いが利益を得ること。

武道武術もなんらかの組み合わせでうまく利益を出すことももしかしたらできるか知れません。

そしてそれは、もしかしたら目に見えた金とはちょっと違った利益の出し方かも知れない。

やるメリットないとか散々ディスりましたが個人的には武道大好きなので、色んな可能性を試していきてぇなぁとは思います。

ちなみに武道リサーチが、万が一儲かったら武道武術へと還元していきたいと思ってますが、残念ながら今のところその可能性は皆無でアリマス。

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参考文献

(1)武田惣角と大東流合気柔術 改訂版

(2)ダイアモンドオンライン:相沢光一『剣道連盟で金銭授受問題、「段位」制度はもはや時代遅れ?』

(3)スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー『ヤバい経済学』(Amazon)

(4)堀江貴文チャンネル『これからの労働はお金を媒介しない…!?』中田敦彦と「労働2.0」を語る【NewsPicksコラボ】(YouYube)

(5)ダン・アリエリー著『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」(Amazon)

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