気功とは何のことなのか?『夢が勝手に叶う「気功」洗脳術』
自分で読んでおいてなんですが、普通なら読まないめちゃくちゃ怪しいタイトルの本でした。
著者の苫米地先生は本を200冊以上出版しているらしんですが、知っている人前提のフォロワー向けの本なのかな?とも思いました。
気功だけでも怪しいというのに、洗脳術までくっついてきた上に、夢が勝手に叶うという枕詞までついてくるのでムチャクチャ胡散臭いのですが、
そんなタイトルにまんまと釣られて読んでしまいました。
目次
・まず苫米地先生がスゲェ
・気功の解釈がスゲェ
・これって気功の本じゃなくね?
1.まず苫米地先生がスゲェ
さて、作者の苫米地先生は認知科学者としても知られており、
肩書が肩を圧し潰すくらい多い人でもあります。
むちゃくちゃ乱暴に説明するなら科学者界のホリエモンみたいな感じでしょうか。
苫米地先生という人物からしてなかなか怪しげな人なのですが、無数の肩書がそのあやしさをさらに際立たせます。
そしてこの本の中でははさらに怪しいエピソードが語られています。
幼少期に雷に打たれて能力に覚醒した!
アメリカで自分の気功を使って病気を治す実験に参加していた!!
自分の気功で癌は治療できる!!!
すげえええええええええええええええええええええええええええええ。
が、詳しい情報はないので真偽は不明です。
とにかく苫米地先生がスゲェということだけはわかります。
2.気功の解釈がスゲェ
なぜ気功に効果があるのかということについて、
『気』とは自分の意識のことであり、気功によってその意識をいい方向に洗脳することで現実すら変えてしまえるということらしいです。
まず、気功で病気を治せるという事実を受け入れてください。
(中略)
自分の意識が変われば、どんな症状も改善できます。そのために有効な手段が気功なのです。
『夢が勝手に叶う「気功」洗脳術』より抜粋
ということなんだそうです。
信じるものは救われる的な話でもありますが、ある意味でこれは真理ですね。
また中国気功師の張永祥先生の遠隔治療に科学者として立ち会ったというエピソードも語られていました。
その結果、気功が遠隔地にも作用するということがわかったのですが、あまりにも信憑性が薄いため学術的な発表はしていないそうです。
苫米地先生的には気功は量子テレポーテーションみたいな効果によって距離とは無関係に作用しているのだとか。
気功って一体なんなんだ?という興味もあってこの本を読んだのですが、
気功に関するゲシュタルトが崩壊しただけでした。
気功って何なんすかね?
苫米地先生によると気功における功というのは、呼吸によって鍛えることができるそうです。
そして、気功とヨガや瞑想は同じもの!
とも言っています。
だからヨガをやることで気を鍛えることができるのだとか・・・。
気功ってなんなんだ??
3.これって気功の本じゃなくね?
この本を読み終わる頃、マツリはあるひとつの勘違いに気づきました。
そう、この本は気功の本ではないのです。
そもそも気功なんて定義の曖昧な言葉です。
つまり正解があるわけではなく、気功を使う人がそれぞれ正解を持っているのが気功です。
だからこの本は、「苫米地先生が解釈する気功の本」なのです。
気功で癌を含めてあらゆる病気が治せるのは、苫米地先生が定義した気功だからこそです。
この世には特に理由はわからないけれど癌が勝手に治ったという人もいます。
それについて、宗教のおかげで治ったという人もいれば、犬の駆虫剤のおかげで治ったという人だっています。
自分が解釈したものこそが現実なのです。
苫米地先生によれば、気功と瞑想とヨガと洗脳と量子テレポーテーションはすべて同じものなのだそうです。
言葉としては別物であっても、解釈としてはひとつにすることができる。
つまりこの本は気功の本でもなければ洗脳の本でもなく、夢を叶えるための本というわけでもなく、
この境地に至った苫米地先生がスゲェということを説明するための本なのです。
愚かなるマツリはこの本を読み終わる直前まで、気功についての解説本だと勘違いしておりました。
苫米地先生の半端ねぇエピソードと思想を知りたい人にはいい本かも知れません。
正直なところあらゆるものは一緒ということは、武道リサーチのテーマでもありますので、
意見としては同意できるのですが、なにぶん気功や瞑想やヨガや量子テレポーテーションはまだまだ研究が進んでいない分野なので、
全部一緒だ!と言い切れる苫米地先生の勇気はマジでスゴイと思います。
そしてここで耳寄りな情報です、なんとこの本、アマゾンで中古価格6円で売ってます!送料の方が高くつくやつです。
Kindle Unlimitedなんていらなかったんだ・・・。
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