チンパンジー以下の人類に捧げられし本『ファクト・フルネス』

fact

変な本のレビューばっかだったので、たまにはちゃんとした話題作のことも書いてみます。

 

全世界でベストセラーで、ビル・ゲイツやらバラク・オバマやらド偉い人々が大絶賛の本『ファクト・フルネス』です。

 

これは要するに事実に基づいて物事を考えようぜ、という思想「ファクトフルネス」を広めよう!って話です。

 

そんなの当たり前やんけと思いがちですが、この本によると世界の現状についての知識は専門家ですらちゃんと把握しておらず、

 

その正解率はチンパンジーにも劣るのだとか。

目次     

1.世界は良くなりまくっている
2.壮絶なネタバレ
3.人間は毛のないチンパンジー

1.世界は良くなりまくっている

バイアスなんかでも良くあるんですが、人と言うのは悪いニュースの影響をクッソ受けやすいので、悪い事ばっかりが記憶に残りやすいんだそうです。

 

この本能のせいもあって、世界にどんだけの貧困国があるか?とか女性の権利がどれだけ低いか?みたいな問題の実際の比率をほとんどの人が当てられないそうです。

 

世界的な教育水準、所得、平均寿命や住居事情、世界的な疫病や災害での死者といったものは世界的にみると年々良くなってるってことが色んなデータで示されてます。

 

こうした問題への理解は専門家や学者であっても、チンパンジーが適当に選んだ答えよりも正解率が低いという現実を変える為に、

 

もっとデータを見たり集めたりする力をつけようぜというのがこの本の趣旨です。

 

ともかく人ってのは色んな思い込みを持ってまして、グラフがまっすぐ上に昇っていってたら永遠に上がり続けると思っちゃう、とか、けっこう物事を単純化してしまいがちなんだとか。

 

そうならない為にはデータ主義みたいな感じでファクト(事実)をフルネス(充実)させようってことでして、

 

デマとか不安を煽るニュースに乗っからないように、実際のデータでどうなっているかを知ることが大事だという話しです。

 

基本的には賛同できる考え方です、が・・・。

2.壮絶なネタバレ

これから本の内容について一番感動的な部分をネタバレするので、読むつもりの人は読まない方がいいと思います。

 

実は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この本の著者ハンス・ロスリング氏はこの本を書いている途中で亡くなってしまい、共著者となっている奥さんと息子さんが本を完成させています。

 

この本のラストには、すべての人に正しいデータで物事を考えて欲しいという熱い思いが、遺言のように書かれており非常に感動的な内容となっています。

 

でも、著者の死はファクトではあるんですが、そこに気を取られるのはファクトフルネスには反するんじゃないかと思うんですよね。

 

ハンス・ロスリング氏は経歴から見ても人類に貢献したもの凄く立派な人物であることは間違いないんですが、

 

彼の死とファクトフルネスという考え方には別に因果関係はないわけです。

 

感情的に強烈なメッセージとして著者の死とその思いはかなり有効でしょうけれど、その反面、全然ファクトフルネスではありません。

 

著者の死が読者をファクトフルネスという考え方を支持する方向にもっていくからいいんじゃないかという考え方もあるでしょうけど、

 

感情を揺さぶられて動いた思想は、やっぱりデマとか不安になるようなニュースで感情を揺さぶられたら変わってしまう可能性もあるんじゃないでしょうか。

 

それは果たしてファクトフルネスを理解していると言えるのか?という疑問が若干残りました。

 

ただまぁそんな小難しいことを考えずに読む分にはいい本だと思います。

3.人間は毛のないチンパンジー

人間って事実には意外と従わないんですよね。

 

シートベルトなんかも、明らかに事故での死亡率を下げるというデータは遥か昔からありますが、

 

シートベルトが発明された1970年代のアメリカでの使用率はわずか11%で1990年代に入ってやっと61%になりました。

参考:超ヤバい経済学(Amazon)

 

100%しといた方がいいのに、100%ではないという不思議。

 

でもこれは不思議でもなんでもないんですよね。

 

酒やタバコどころかジャンクフードなんかにしても同じことで、身体に悪いという事実は昔からあってもなくなりません。

 

もちろん、大きなデータでみれば総数は減ってきてる所もあるでしょうけれど、社会的に問題になってもなかなか数が減らないことは良くあることです。

 

最近でも明らかに合理的じゃない反ワクチンみたいな思想を信じてる人がいたりします。SNSが発展した分、デマも広まりやすくなってます。

 

人間なんてどいつもこいつも毛のないチンパンジーくらいに考えとけばデマに流されなくなるかも知れません。

 

さっそく練習がてら、このブログもチンパンジーみたいな人間が適当なことを書いてると思っといてくださいませ。

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チンパンジー以下の人類に捧げられし本『ファクト・フルネス』” に対して2件のコメントがあります。

  1. ムワタ より:

    シートベルトの着用率については
    古い車にはシートベルトついてないんで
    そういうのも関係してるかもしれない数値ですね。

    1. MATSURI より:

      それもありそうですね。

      アメリカのデータなんで、法律の問題もあるでしょうし、
      周囲になんもないド田舎とか島とかがあるので、色々と日本とは違う状況はあるでしょうね。

      ちなみに日本におけるシートベルト着用率は2019年は98%台(JAF調べ)、アメリカは89.7%(米国運輸省調べ)だそうです。

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